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産経新聞記事について

 

【産経新聞】自社株の相続めぐり銀行が中小企業経営者へ提案の節税策、国税がNO!追徴課税などを受け国提訴が相次ぐ…に書いた通り、産経新聞に持ち株会社を使った相続税節税策が否認されたという記事が掲載されて、ちょっと話題になってるんだよ。

 

 基本

「東京国税不服審判所に審査請求したものの認められず、課税取り消しを求めて国を提訴する事例も出始め」って書いてあるから、調べてみたら?

調べたんだけど、今のところ見つかってないんだよ。引き続き調べるよ。

 

持株会社を使ったスキームについて

 

持株会社というのは、他社の株式を保有して、他社を支配することを目的とした会社のことだよ。

会社の本社機能だけを一つの会社にしたようなイメージだね。

本来は経営の合理化を目的としているんだけど、自社株の相続税を節税する目的でも使われているんだ。

特に、中小企業の持株会社化は、ほぼ間違いなく相続税対策と言っても過言ではないくらいだよ。

もちろん、必ずしもうまくいくとは限らなくて、例えば、今は儲かっていても何らかの原因で将来儲からなくなってしまったり、将来税制が改正されて評価方法が変わったりしてしまうと、絵に描いた餅になってしまうこともあるからね。

 

スキームには大きく分けて、

①株式譲渡スキーム

②組織再編スキーム

があるんだよ。

 

 基本

みんないろいろなことを考えつくんだなぁ

 

株式譲渡スキーム

 

その名のとおり、株式を譲渡することで持株会社化を行うスキームだよ。

冒頭でリンクした産経新聞で紹介されている事例がまさに株式譲渡スキームだね。

譲渡をするので、その際に所得税が課税(避けられない!)されるのが特徴だよ。

相続税法上の評価額をより高い所得税法上の評価額で譲渡せざるを得ず、「高い株価」で譲渡所得税が課税され、相続があれば「高い株価」で換金した相続税が課税されるから、「租税回避」どころか「積極納税」になる可能性があるんだよ。

 

わからない~

それってメリットがあるのかな?

「積極納税」の代償と引き換えに、

  • 長期的には株価の評価引き下げ(法人税相当額の控除+持株会社類似評価時の子会社株式評価切断効果)
  • 持株会社の株主を後継者にすることによる早期の事業承継が可能

というメリットがあるんだよ。

また、記事にある通り、銀行側にとっても株式譲渡代金の融資ができるというメリットがあるから、銀行が提案することが多いスキームだね。

 

わからない~

メリットのためにむしろ先に税金を払って実行しているのに、それが課税庁に否認されるのはよくわからないんだけど?

そこが産経新聞の記事からははっきりとわからないから、今後の情報に注目だよ。

 

組織再編スキーム

 

組織再編スキームとは、適格株式交換・株式移転・会社分割等によって持株会社化するスキームのことだよ。

以前に日経新聞に「ビジネスの現場で(4)悩む50万社 事業承継に思わぬ壁

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO92145810X20C15A9MM8000

という記事が載っていたんだけど、ここで、

「国税庁の調査が入れば行き過ぎた節税策と指摘されるリスクもある」という手法が、

「低収益部門を抱える持ち株会社と高収益部門を主体とする事業会社分け、持ち株会社だけが課税対象になるようにした」とあるから、

組織再編スキームが使われた例と推察できるんだ。

この組織再編スキームは、株式譲渡スキームのような譲渡所得税の課税、すなわち「積極納税」がないから、課税庁から「租税回避」として否認されるリスクはあるかもしれないね。

 

節税のみが目的の組織行為は租税回避か

 

持株会社スキームではないんだけど、毎日新聞http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160830-00000067-mai-bus_allに、子会社の合併で租税回避とされた事例が載っていて、ハッキリとはわからないけど、節税のみを目的にした組織行為は租税回避とするような課税処分が行われているかもしれないんだ。

 

わからない~

でも、これって何を根拠に否認されているの?決められた方法の範囲で計算はしてるんだよね?

財産評価基本通達6【この通達の定めにより難い場合の評価】

「この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する」

という規定があって、通達のとおりに評価していても、国税庁長官が認めなければ、否認されることがあるんだよ。

 

悲しい

ああ、そういうシステムなんですね

でも、これを突き詰めると、通達とは一体なんだったのかということになってしまうから、例えば、持株会社は純資産方式のみで評価する、のように通達を改正して、対応していただきたいところだね。

 

産経新聞による課税庁の口先監視

 

わからない~

ところで、今回の産経新聞の記事がなぜそんなに注目されるの?

今までの傾向から考えると、産経新聞が報道したことは、課税庁が問題視していることである可能性が高いんだ。

例えば、「低解約返戻金型逓増定期保険」スキームという、持株会社スキームよりもブラックな節税について、産経新聞ではいち早く報道http://www.sankei.com/west/news/151009/wst1510090017-n1.htmlしていて、それを課税庁と近い税務雑誌「税務通信」が追従した、という例があるんだよ。

 

 基本

ということは今後も注意していく必要があるんだね!

節税スキームについての課税庁の反応

 

わからない~

そもそも、課税庁はなぜ持株会社のスキームに敏感になってきたの?

一つには、インターネットやセミナー等で、持株会社を利用した自社株の相続税対策が声高に主張されて、拡散されていることが原因だと思うよ。

同じく相続税対策のタワーマンションを用いた節税も、広まってきたところで規制が入ろうとしているからね。

 

 基本

なんだかイタチごっこみたいな感じだね。

 

税理士の対応

 

悲しい

産経新聞の記事に、最終的な責任は顧問税理士へ、みたいに書いてあるけど、税理士としてはどうすればいいかな?

税理士としては、大変悩ましいところではあるんだけど、合理性のあるものは情報をお伝えして、仮にお客様が実行を希望される場合は、十分に説明して、文章化し、責任を限定したうえで実行していただく、という対応にならざるをえないと思うよ。

 

 基本

やるときはリスクがあることを忘れちゃだめだね。

ありがとう

今日も読んでくれてありがとう