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役員報酬を引き下げて役員賞与で補てんするのは一見問題なさそうだけど、実は役員退職慰労金に影響があってだね・・・

役員退職慰労金の計算方法

 

役員退職慰労金というのは、文字通り、役員が退職したときにもらえる慰労金、すなわち役員の退職金みたいなものだよ。

もちろん、金額は各会社で決めていいんだけど、役員が自分の立場を利用して、自由に給与・賞与・退職金を決めてしまうと、租税回避につながってしまうから、法人税法では役員への報酬について、一定の制限が設けているんだ。

とはいえ、最近では法人税の税率は下がる一方で、所得税の税率が上がっているから、法人税の租税回避に使われることは少なくなってきているけどね。

 

 

話を戻すと、役員退職慰労金については税法では明確に上限が定められているわけではなくて、

就任期間、退職した事情、同業・同規模の法人との比較から、「その退職した役員に対する退職給与として相当と認められる額を超える場合は」損金として認めない、となってるんだ。

 

 基本

ややっずいぶんざっくりですな~

 

一般的には、社内の役員退職金規定を作って、その中で、

退職時の報酬月額 × 勤続年数 × 功績倍率

と定めている会社が多いんだ。

 

勤続年数(明らか)と功績倍率(会社によってそれぞれ)は置いておいて・・・

 

びっくり

あっ!式の中に報酬月額がある!
ということは、報酬月額を下げると退職慰労金が減っちゃうんだ!

 

報酬月額とは何か

 

次に、この報酬月額には、

 

① 毎月定まって支給されるものの総額

② 毎月定まって支給されるものの総額+賞与的に支給されるものを12で除した額

 

という2つの見解が考えられて、前々から議論になっているんだ。

 

 基本

①だと素の毎月の役員報酬のみ、②だと役員賞与分が入るんだね!
役員報酬を下げてその分を役員賞与で補てんする場合、②なら影響がないけど、①だと退職金が減っちゃうね。

なので、どちらなのか、というのは非常に重要なんだよ。

で、今回、なんと平成28年9月12日国税速報6427号にその見解が示されたんだ。

だけど・・・

 

わからない~

だけど?

 

国税速報の見解

 

国税速報では、

「報酬月額については、その役員に対する〈中略〉1年間の任期期間に係る報酬とされる金額の12分の1の金額と理解することができますので、定期同額給与として支給される金額のほかに事前確定届出給与としての支給額が株主総会において承認されている場合には、報酬年額となる定期同額給与支給額と事前確定届出給与の合計額を12分の1した金額になります

となっていて、

毎月の役員報酬分(上記の定期同額給与支給額)と役員賞与(上記の事前確定届出給与)の合計額÷12

を役員退職慰労金を算定するうえでの報酬月額として大丈夫のように書いてあるんだ。

 

 基本

へぇ!じゃあ報酬月額を下げて賞与で補てんする作戦に問題はなくなるんだ!

 

うーん、一見そうなんだけど、実は一番最後に、

「100%損金算入が認められるということではありません」

って書いてあるんだよね。

 

わからない~

あれれ?ということは・・・?

 

端的に申し上げると、否認されるリスクがある!ということだよ。

 

悲しい

なんだかわかりづらいなぁ

 

うん。この国税速報は課税庁の公的見解に準ずるものに混ざって書き手の個人的見解が入るから、前半だけ読んで判断するのは危険だね。

 

ちなみに、認められない説としては、

功績倍率法の建前は他の会社の月額報酬についての平均値で、その平均値を当社の年収の12分の1に乗じる理屈は成立しない、

という説で、かなり有力なんだ。

 

損金算入が認められない可能性はある、くらいに考えておいた方いいかもね。

 

認められなかった場合は

 

わからない~

ちなみに、認められなかった場合は貰える退職慰労金が少なくなっちゃうの?

もらえることはもらえるんだよ。

認められないのは「損金算入」だからね。

損金算入が認められないと、その分が利益に加算されて、税金が高く計算されるんだ。

そのことがあとから税務調査で指摘されると、差額の納税に加えて、追徴課税が・・・

 

 基本

なるほど~!役員報酬を引き下げると、役員退職慰労金が税金の計算上少ししか認められなくなって、税金が高くなるリスクはあるんだね。わかったような気がする

ありがとう

最後まで読んでくれてありがとう!