2014/ 9/13 14:20

 

びっくり

産経ニュースに相続税の節税が厳しくなったって書いてあるよ!
自社株の相続めぐり銀行が中小企業経営者へ提案の節税策、国税がNO!だって!

自社株の相続対策に悩む中小企業の経営者が、取引銀行から提案された別会社へ株を売却するなどの「節税策」を実行したところ、税務署に認められずに課税され、国を相手取った訴訟に発展するケースが増えている。

 

わからない~

でも、これってなんなの?

自社株というのは、会社の社長が持っている自分の会社の株のことだよ。相続税は基本的にはすべての財産が対象だから、この自社株も社長が亡くなったときは相続財産になるんだよ。

でも、上場していない株の場合、上場株のように時価が明らかになっているわけじゃないから、決められた方法で評価をしてやる必要があるんだ。

問題は、儲かっている会社の場合、その額がとても高くなりやすいということ。評価の高い株を相続でもらえるなんていいじゃないか、と思うかもしれないけど、相続税は基本的には現金で支払うから、相続財産の評価額が高くなると、相続税の支払が大変なんだよ。

 

わからない~

ふーん。でもそれなら税金を払う前に売っちゃえばいいんじゃない?

それがそうもいかないんだよ。自社株というのは、会社の経営権に近いもので、それを承継した人は会社の次期経営者になるはずの人なんだ。だから、その人が相続した自社株を相続税を払うために売ってしまったとしたら、会社の承継がうまくいかなくなってしまうよね。だから、自社株を売って相続税の納税資金にすることはできないんだよ。

 

びっくり

えー!じゃあ大変だ!何とかしないと!!

なので、自社株の相続対策というのは、程度はともかく、よく行われているものなんだよ。

 

 基本

その相続対策の一つが、この記事のことなんだね!

そうだよ。この記事によると、

①社長Bは会社Aを経営しており、会社Aの株を息子に相続させようと考えている。

②会社Aが儲かっていて、会社Aの株は相続税評価額が高くなりそうなので、対策をしたい。

③そこで、同じく社長Bが株を保有している別の会社Pを用意し、会社Pに会社Aの株を譲渡する。

④すると、社長Bは会社Pの株式を保有し、会社Pが会社Aの株を保有している状態(会社Pは持ち株会社)になる。

⑤ということは、社長が亡くなったときに相続財産になるのは会社Pの株で、会社Aの株は相続財産とならない。(会社Aの株を保有しているのは会社Pであり、社長Bではないため)

⑥評価額の高い会社Aの株が相続財産とならないため、相続税の節税ができる。

ということだね。

 

わからない~

うん?会社Aの株は会社Pが持っていて、会社Pの株はBさんが持っているんだから、実質的には何も変わらないような?

世間一般的に考えるとそうかもしれない。だから、課税庁は「こんな株を動かすだけで相続税を回避しようとするなんてけしからん!」ということで、規制する方向性になってきたんだよ、という記事だね。

 

 基本

うーん、社長さんの気持ちはわかるけど、しょうがないような気がする。

でも、ここで一つ疑問があって、実はこのスキームは節税になるとは限らないんだよ。

 

びっくり

えっどういうこと!?

このスキームでは②で社長のBさんが会社Pに会社Aの株を譲渡しているんだけど、この譲渡価額というのが、実は相続税評価額以上の金額になるんだよ。

譲渡は相続税の問題ではなく、所得税の問題になるから、所得税法上の時価で譲渡するんだけど、この所得税法上の時価というのが、相続税評価額よりも高くなりやすいんだよ。ちょっと難しい話になるけど、会社判定が小会社になったり、純資産価額方式での法人税相当額を減額できなかったりして、評価額が高く算定されやすいんだよ。

 

びっくり

えっA会社の株の相続税評価額が高いから対策をしようとするのに、譲渡するにはそれ以上の金額になるんだ!じゃあもっと安い価格で譲渡しちゃえば?

結論から言うと、それは難しいんだ。

個人から法人へ株を譲渡する場合、時価の2分の1未満の価額で譲渡した場合、時価で譲渡したとみなして所得税が課税されるんだ。さらに、同族会社の場合は、時価の2分の1以上の価額で譲渡したとしても、税務署長の判断で、時価で譲渡したとして課税になることがあるんだよ。さらに、みなし贈与とかいろいろ・・・

要するに、後から税務署とトラブルになるリスクを避けて、実務上は所得税法上の時価で譲渡することが多いんだよ。

悲しい

確かに、本当に節税したいのはココじゃないから、無用なトラブルは避けたいね。

うん。

そして、所得税法上の時価で譲渡すると、Bさんは会社Aの株の譲渡対価として、同額の現金をもらうことになるよね。となると、相続税評価額と同じかそれ以上の金額の現金(実際には預金)を持つことになる

 

 基本

お金がたくさんあってうれしいね!

それはそうなんだけど、そもそも相続税を節税したいんだよね。

繰り返すけど、社長のBさんはA株の対価として、相続税評価額以上の現金をもらった。だから、社長が亡くなったら今度はその現金に相続税がかかってくることになるんだよ。

現金の相続税評価額はそのまんますぎるから、凄腕の税理士でも評価額を下げられないからね。

 

びっくり

あれ?ということは節税になってなくない?

うん。しかも、譲渡をすると所得税も払う必要があるからね。高い所得税法の時価で譲渡しているから、所得税も安くはないんだよ。

だから、節税というよりはむしろ積極納税になるかもしれない。

 

わからない~

あれ?じゃあ否認されないんじゃない?

そのような場合にまで課税庁は否認をしてくるのか、この記事からはわからないけど、産経ニュースに載ったということは、課税庁も注目しているということだから、自社株については今後も注目していく必要があるんだよ。

 

 基本

この記事からは詳しい実態はわからないけど、自社株の相続対策はだんだん厳しくなってきてるんだね。
わかったような気がする!

ありがとう

今日も読んでくれてありがとう