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役員報酬の社会保険料を軽減するスキームとは?

 

 基本

最近社会保険料が高いな~と思ってたら、役員報酬の社会保険料を減らすスキームがあるって聞いたんだけど?

役員報酬の月額を下げ、その分を役員賞与で補てんすると、社会保険料が減らせる、というスキームだね。

社会保険労務士さんや保険代理店さんから提案されることが多いかな。

 

わからない~

具体的にはどのくらい減るの?

 

例えば、年間の報酬・賞与の合計が1,200万円の場合でも

  • A案:役員報酬が月額100万円で年間1,200万円
  • B案:役員報酬が月額10万円(年間120万円)、役員賞与が1,080万円で合計1,200万円

を比較すると、

A案(平成28年)

役員報酬 健康保険 厚生年金 保険料合計
月額 1,000,000 56,546 56,364 112,910
年間合計 12,000,000 678,552 676,368 1,354,920

B案(平成28年)

役員報酬 健康保険 厚生年金 保険料合計
月額 100,000 5,655 8,909 14,564
賞与 10,800,000 330,621 136,365 466,986
年間合計 12,000,000 398,481 243,273 641,754

 

となって、A案の社会保険料が1,354,920円なのに対し、B案では641,754円になるから、B案の方が713,166円削減されることになるんだよ。

 

びっくり

へぇ~!どうしてこうなるの?

賞与にかかる社会保険料に上限が設けられていて、ある程度多額になると、保険料が一定になることを利用しているんだよ。

 

税務上、賞与が過大役員報酬として否認されるリスク

 

わからない~

税務上何か問題はないの?

実は・・・なんと、税務上、否認されるリスクはほとんどないと考えられているんだ。

 

そもそも、役員報酬には、過大だと否認されるリスクがあるんだけど、これは、

月額分合計(定期同額給与)+賞与(事前確定届出給与)の合計額で過大判定がされる

んだよ。なので、このスキームにより賞与部分だけが過大だと判定されるリスクは少ないんだ。

もちろん、事前確定届出給与の届出を忘れて否認された、とかは違うからね。

 

平成28年9月12日国税速報第6427号に、

事前確定届出給与の届出書の「⑤事前確定届出給与につき定額同額給与による支給としない理由及び事前確定届出給与の支給時期を付表の支給時期とした理由」欄に「社会保険料の負担軽減」と明記することが求められる

とあるから、

社会保険料の負担軽減そのものが問題なのではなく、明記すればよい、ということだね。

さらに、解説欄にも

役員給与の支給方法を変更して社会保険料の負担軽減を図ることの是非はともかく、そのようにすることについて税務が介入する場面はありません。

と書いてあるんだ。

 

 基本

へぇ~意外!否認されるかもしれないと思ってた!

まあ、日本の行政は縦割りだから、課税庁は租税回避には敏感だけど、社会保険料の軽減はうるさく言わないんだろうね。

 

将来もらえる年金が減ってしまうリスク

 

わからない~

健康保険は減らした方がよさそうだけど、厚生年金が減ると将来もらえる公的年金が減ってしまうんじゃない?

確かに、納める年金保険料が減るから、将来もらえる公的年金は減ってしまうよ。

お金持ちで、公的年金をあてにしていなかったり、そもそも年金制度を信用していなかったりする人にとっては特にこのデメリットはなくなるね。

 

ただし、高額所得者は節税効果が薄れる

 

この社会保険料の軽減額は、実は満額を得するわけではないんだ。

社会保険料は所得から控除ができて、所得税・住民税の節税効果があるからね。それが減ってしまうと節税効果も減ってしまうんだ。

具体的には社会保険料の軽減額×(1-税率)の額が得した額になるんだよ。

だから、所得が高額で税率の高い人ほど、得する額が減ってしまうという。

具体的には、例えば所得が1,800万円以上の場合には、所得税・住民税と合わせて税率は50%になるから、税金を考慮すると、社会保険料の軽減額の50%が実際に得をした額になるんだよ。

 

 基本

なるほどー、社会保険料には税金を減らす効果があるから、社会保険料を軽減すると節税効果が減ってしまうことを考えると、税率が高い人にとっては嬉しさが薄れるんだね。

 

役員退職給与支給額・弔慰金額への影響

 

ここまであまり大きなデメリットは出てこなかったんだけど、このほかに役員退職給与支給額・弔慰金額への影響があるんだ。でもこれは書き出すと長いから、また次回にするよ。

 

続きはこちら【国税速報】社会保険料の負担軽減のため役員の報酬月額を引き下げた場合の役員退職給与支給額

 

 基本

はーい!
役員報酬を減らしてその分を役員賞与で補てんすると社会保険料が減るんだけど、いろいろなところに影響があるんだね!
わかったような気がする!

ありがとう

今日も読んでくれてありがとう!